どのマザーボードがどの用途に適しているのでしょうか?産業用マザーボードを選ぶポイントを一挙紹介

IPCマザーボードには、ATX、Micro-ATX、MINI-ITXなどのさまざまなフォームファクタが含まれています。 さまざまなサイズのマザーボードの主な機能と主なアプリケーションをさらに紹介します。

前回は、産業用コンピューターで主流のさまざまなマザーボードのサイズとI/Oについて説明しましたが、産業用コンピューターのアプリケーションが多様化する中で、設備技術者は、使用する分野とATXMicro-ATXMini-ITXなどのマザーボード規格の適合性について興味があるかもしれません。では、マザーボードを選ぶ際にどんなポイントがあるのでしょうか。

 

マザーボードを選ぶ際に、まず考慮すべきはそのサイズです。一般的に、製造業の生産ライン機器や企業のコンピュータ室など、スペースに余裕があり、機能的な要求が比較的高い場合、ATXがよく選ばれています。しかし、スマート化が進む現在、さまざまなシステムに先進的なシステムが導入されるようになり、そういったシステムに含まれる機器にはより多くの機能が付与されています。例えば生産ラインでのAI目視検査や企業のコンピュータ室におけるAIデータ分析など、これらの機能にはより強力なハードウェア規格が必要となり、機器の内外に必要なサポートコンポーネントも大幅に増加します。このような状況では、機器のサイズと拡張性の要求が大幅に高まるため、ATXに加えて、Micro-ATXも適しています。最小のフォームファクタであるMINI-ITXは、飲食業における注文装置やPOS装置に適しています。

 

機器スペースの大きさによって決まるサイズの検討は、マザーボード選択の第一段階に過ぎず、開発者はアプリケーションの環境特性も考慮する必要があります。一般に、産業用コンピューター向けマザーボードの最大の違いは、CPUと配置されたI/Oインターフェイスにあり、CPUについては考慮ポイントがより複雑であるため、次回に別途説明します。ここではまず、I/Oインターフェイスについて説明します。

 

コンピューターの登場以来、周辺機器では新しいI/O規格が続々と打ち出されてきましたが、産業用コンピューターは企業の業務と密接に関係しているため、一部のアプリケーション分野では、性能よりも安定性が遥かに重視されます。そのため、工場の中のRS-232やRS-485など、古くても成熟した規格が現在も多用されています。ただし、一部例外もあり、例えばデジタルサイネージなど、高解像度の映像・音声で消費者を引き付ける必要があるアプリケーションでは、HDMIなどの高速伝送I/Oインターフェイスが必要となります。全体的に、産業用コンピューター向けマザーボードのI/Oインターフェースの選択は、アプリケーションの要件に応じて決める必要がありますが、これらの要件をすべて一から設計するとなると、製品開発期間が長くなりすぎてしまいます。このため、DFIでは市場の最大公約数となるニーズに基づいて、さまざまな市場の一般的なニーズを満たすことができるボードを設計しており、お客様は規格の微調整を行うだけで、すぐに使用することができます。

 

産業用コンピューターのマザーボードを選ぶ際にもう1つ考慮すべきポイントは、使用される環境です。産業用コンピューターは、さまざまなアプリケーションで使用され、それぞれに特徴があります。環境に合わせて特別に機器を設計すると、システムの安定性や機器の使用寿命が危ぶまれることになります。例えば、製造業の生産ラインや自動車内などは、振動が多い場所であり、付近でモーターが起動されると多くの電磁波も発生します。振動も電磁波もシステムの安定性を脅かすものであるため、I/Oインターフェイスの脱落を防ぎ、マザーボードが電磁波の影響を受けないように、機器内のマザーボードが耐振動性と耐電磁波性能を備えている必要があります。耐振動性だけでなく、産業用コンピューターのマザーボードは、高緯度国や高温場所向けの広い温度範囲、船舶システム向けの耐塩性、車載システム向けの防水・防塵性など、環境要件に応じたさまざまな特殊設計が施されています。これらの設計はいずれも、機器の安定性を高めるためのものです。

 

以上のように、産業用コンピューター向けマザーボードの選択で考慮すべきポイントは非常に多岐にわたりますが、開発者は産業用コンピューターが「性能の最大化」ではなく「機能の最適化」を求めていることを念頭に置く必要があります。そうすることで、限られたリソースを有効に利用し、最高のコストパフォーマンスを生み出すことができるのです。では、どのように選択したらいいのでしょうか。自身で評価する以外にも、DFIチームの専門性を活用して、適した規格と標準を共同で議論することができます。それを通じて製品がユーザーのニーズを満たすよう確約し、市場競争力を高めることができます。ご興味のある方は、DFIホームページで詳細をご覧いただくか、直接お問い合わせください。