グラフィックカード、COMポートが足りない? PCIeで産業用コンピューターの拡張性は問題なし!

ほとんどの要件とハイエンドアプリケーションは、IPCセクターのPCIeの拡張性をアップグレードすることで満たすことができます。

産業用コンピューターは、民生用または商用コンピューターと異なり、アプリケーションがより多様であることが最大の違いです。これらの異なる分野においてコンピューターやコントローラに求められる要件は、その業界に特化したものとなります。しかし、これら分野の要件が特殊とはいえ、設備コストや市場投入までの時間を考慮する必要があるため、基板全体を完全に作り直す必要性は少なく、大多数がPCIeにより拡張性を強化しています。このため、産業用コンピューターの分野ではこの拡張スロットが一般的な設計となっています。

 

現在、産業用コンピューターのアプリケーションはますます広がっており、各種産業のニーズも大きく異なっています。例えば、オーディオとビデオのニーズが高い場合はより強力な演算能力が、IoTシステムの場合は各種デバイスを大量に接続するためのCOMポートが必要となり、また、大容量ストレージが必要な場合は複数のハードディスクやSSDを追加する必要があります。近年、テクノロジー企業はマザーボードの機能拡張を続けており、対応する電源さえ搭載すれば、さまざまなコンポーネントを動作させることが可能になっています。しかし、これらのコンポーネントをマザーボードに接続し、データ転送効率を最大限に高めるにはどうしたらよいのでしょうか。PCIeに頼る必要があります。

 

PCIeは決まった数のデータレーンを備え、現在は×1、×4、×8、×16となっており、それぞれが2ペアのワイヤで構成されています。1つのペアがデータを送信し、もう1つのペアがデータを受信します。PCIeの実装において、PCIe×1リンクは1つのデータレーンを有し、転送速度は1サイクルあたり1ビットです。PCIe×16レーンは通常、マザーボード上で最も長いスロット(グラフィックカードに最もよく使われるスロット)で、16のデータレーンを備え、1サイクルで最大16ビットを転送できます。しかし、未来のPCIeでは、クロックサイクルあたりのデータレートが2倍になり、より高速な転送が可能になります。

 

PCIeの使用方法は、産業用コンピューターのアプリケーション分野によって異なります。例えば、ビデオウォールでは複数のモニターを同時に制御するために多数のグラフィックカードが必要となりますが、現在一般にグラフィックカードスロットが最大3つしかない産業用コンピューター用マザーボードでは、明らかにユーザーのニーズに対応しきれません。このとき、PCIeモジュールを通じて最大6枚のグラフィックカードまで拡張することができます。もう1つの例がインダストリアルIoTです。IIoTでは、単一のデータ量は少ないものの、接続される機器の数が非常に多いという特徴があるため、低速信号を受信できるCOMポートを大量に必要とします。このとき、PCIeモジュールを利用して伝送ポートを拡張できます。

 

上述した分野以外にも、産業用コンピューターの拡張性を高めるためにPCIeを必要とする分野があるため、PCIeは産業用コンピューターの一般的な設計となっています。システムインテグレーターやフィールドオペレーターは、産業用コンピューターを選択する際に、スロット数や関連規格に特に注意する必要があります。DFIのチームもお客様がシステムの拡張性を最適化し、全体的な効率を高めるための専門的なアドバイスを提供しています。ご興味のある方は、DFIホームページで詳細をご覧いただくか、直接お問い合わせください。